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仮想通貨のマイニングって収益でるの?調べてみた

最近ビットコインが急上昇し再度注目を集めています。PCショップにもマイニングマシンの相談が増えてるようなので収益性を調べてみました。結論は、個人的には十分な収益が見込めないので参入はやめておこうと思います。 

追記:この記事を書いた当時(2020年11月)はビットコインが15,000ドルくらいで収益が見込めませんでしたが、ビットコインが30,000ドルを超えた現状では、最新のGPUを使えば収益がでそうです(ビットコインの価格が大きく崩れなければ)。それを踏まえて、当時の記事は残しつつ、新たに調べて追記してみました。

マイニングの収益構造

すごく単純化して言うと、マイニングは主に自分のパソコンの計算能力を仮想通貨のシステムに提供することで報酬をもらいます

やりかたは大きく分けて2つ。自分で直接仮想通貨のシステム必要とされる計算を行うパターンとグループで行うパターンがあります。前者は直堀り、後者はマイニングプールに参加するなんて言われます。ざっくりと2つのメリット・デメリットをまとめます。

両者の違いは自分で直接やるか、集団でやっているところに混ぜてもらってみんなで行うかの違いです。集団でやる場合は管理している人に手数料を払います。

どれくらい儲かるの?

では、早速収益性を調べていきましょう。こういうサイトで自分のPCの性能からどれくらいの利益がでるか計算できます。計算式は以下のとおり。

利益=獲得した仮想通貨の価値-電気代

電気代はこちらを参考に1Kwhあたり30円で計算しましょう。日本はけっこう高いので不利です。ドル円を105円として1Kwh=約0.286ドルです。ビットコインの価格は11/10現在15,000ドル台です。

GPUを選びます。最近は高性能かつ低価格なGPUが出てきたのでGPUが割と安くなっています。ハイエンド(RTX3080)、ミドル(RTX2060Super)、ローエンド(RX570)を選びます。台数はひとまず1台とします。

忘れてはいけないのが初期投資。GPU代をどれくらいの期間で回収できるかも一緒にまとめてみます。

  1日当たり利益 1ヶ月当たり利益 GPU価格 GPU価格回収期間
RTX3080 +1.13ドル +46.64ドル 99,649円 約20ヶ月
RTX2060Super +0.32ドル +14.96ドル 39,800円 約25ヶ月
RX570 -3.11ドル -86.22ドル 15,850円 回収不可

全然ダメですね。マイニングは計算に一定時間がかかるように難易度が調整されています。こちらのサイトを見るとものすごい勢いで難易度(difficulty)が上昇していることがわかります。そのせいで高性能なGPUでもそこまで利益があがりません。

3年くらい前の記事を読むとRX570でマイニングマシンを組んでいるのですが、今だと完全に赤字です。一方、RTX3080くらいを使うとそれなりにプラスになります。

ただ、これを投資として魅力的とは言い難いです。まず、GPU単体の費用を回収するだけで2年近くかかります(当然他のPCパーツ代もかかる)。

しかも、先に述べたように2年後RTX3080が今と同じマイニングパワーを持っている可能性は高くないでしょう。

さらにビットコイン価格のボラティリティの大きさから考えても厳しいです。今は上昇しているから大丈夫ですが、1日で10~20%変動してもおかしくない資産です。上振れしたらいいかもしれませんが、下振れしたら目も当てられません。

もし、価格上昇の可能性が高いと思うのであれば現物やFXで保有するほうが楽だと思います。現物やFXはすぐに売却して手放せますが、マイニングマシンはすぐに手放せないですからね。

この計算がすべてではないと思いますが、マイニングプールサイトの計算ですし、どちらかというと収益見通しは甘めに出ている可能性があります。

本当は直堀りの収益性や別のやり方(昔海外にPCを送ってマイニングしてもらうやり方とかあった気がする)を吟味する必要がありますが、直堀りに圧倒的なメリットがあるとマイニングプールビジネスが成り立たないはずですし、他のやり方もハードルが高そうなのでこれ以上調べる気にはなりませんでした。

まとめ(旧)

こういうのは大抵値上がりする前から準備しておくのが鉄則。調べる前から厳しいんじゃないかなと思っていましたがけっこう簡単にダメそうだという結論に至りました。

もうちょっと芽があれば少々見込みなさそうでも新しいPCを組む言い訳くらいになるかな?と思ったのですが、これではさすがに厳しい。

もしかしたら、やり方はあるかもだけどちょっと労力やリスクにリターンが見合わなさそうなので大人しく米株に戻ることにします!

ビットコインが3万ドルを超えたので収益が見込めそう

2021年1月現在、ビットコインの価格は3万ドルを超えています。この記事を書いた当時よりも価格は2倍以上になりました。しかもGPUもRTX3070やRTX3060Ti、RX6900、RX6800など新製品が発売されています。それを踏まえて再度計算してみました。

ドル円の水準は105円台で変わらないので以前使った1Kwh=約0.286ドル、ビットコインの価格は約37,700ドルです。

  1日当たり利益 1ヶ月当たり利益 GPU価格 GPU価格回収期間
RTX3060Ti +6.04ドル +124.47ドル 55,580円 約4.3ヶ月
RTX3070 +6.13ドル +130.91ドル 71,450円 約5.2ヶ月
RTX3080 +10.05ドル +213.25ドル 98,799円 約4.4ヶ月
RTX3090 +12.29ドル +257.55ドル 208,978円 約7.7ヶ月
RX6800XT +6.39ドル +129.53ドル 89,980円 約6.6ヶ月
RX6800XT +6.20ドル +122.16ドル 140,800円 約11.0ヶ月

ハイエンドのGPUを使えば軒並み月+100ドル超の収益が発生しそうですね。

これはマイニングプールへの参加した場合ですので、実際には手数料をとられたりして手元に残るお金はもっと少ないと思いますが、今の価格であればチャレンジしてみる価値はありそうです。

始める場合はリスクをよく考えよう!

これを見て「お、儲かるんだやってみよう!」と少しでも思った方はリスクを十分考えてからにしましょう。投資は自己責任というやつです。

私は自分の興味で調べた結果をまとめていますが、今現在マイニングをやっていないので本当に儲かるのかはわかりません。

以前まとめ(旧)で書いたときは「あ、これ全然だめだわ、突っ込んで調べる気にもならん。」って感じでしたが、今はちょっと調べてみてもいいかもというレベルになった程度です。

ですのでこれを見た方の参考になればうれしいですが、推奨する気は今のところ全くないです。これ重要。

ちなみにぱっと思いつくだけでもリスクはたくさんあります。

考えられるリスク

・価格が急落するリスク

・思ったように収益があがらないリスク

・マイニングプールから報酬が支払われないリスク(倒産とかも含め)

・マイニングプールがハッキングされるリスク

価格が短期間で2倍以上になったのですから、その逆も十分あるわけです。

マイニングで利益がでそうなGPUは割と高額ですから、意気込んで設備を整えても価格が急落して全く利益がでないということもあります。

私が試す価値があるかも?と思っているのは自分がRTX3080をもっているからです。新規に買うのはリスクが高すぎると思います。

あとよくあるのが実際にやってみたら計算ほど利益がでなかったということ。

うまく思ったほどGPUがパフォーマンスを発揮しなかったとか、電気代がシミュレーション通りじゃなかったとか、色々な要因で思ったより稼げないことはよくあります。

ハイエンドGPUは売り切れ続出!

ちなみに考えることはみんな同じで、ハイエンドGPUは軒並み売り切れです。もともとRTX3000シリーズは出来がよくてゲーミングPCなどの用途にバカ売れしてました。今はマイニング需要も相当あるみたいで、この状況はしばらく続きそうですね。

まとめ(新)

価格が今の水準以上をキープできることを前提にハイエンドのGPUを使えば収益があがる可能性がありそうです。

もう少し仕組みを勉強して、リスクが許容できそうであれば少し試してみようかと思います。その際は体験レポートを書きますので是非読んでくださいね。

https://dancingaho.com/vcmining/mining/profit_feb_h1/