日本時間の11/4から米国大統領選挙の開票が始まっています。
現時点でまだ結果は確定していませんがこの記事を書いている時点ではトランプ勝利、上院共和党、下院民主党で選挙前と変わらない形に落ち着きそうです。→一夜明けてバイデン勝利が濃厚になったようです。
今回は米大統領選挙後の米株見通しについて、私の考えを紹介したいと思います。
まず結論を先に言ってしまうと、選挙結果がどうであれ向こう1年くらいの米株は買い、と考えています。
大統領選挙の注目ポイント
まず、私が大統領選挙で注目しているポイントをまとめます。
・大統領と議会選の勝利政党がどちらになるか
・結果が確定するまでの時間
まず、大統領と上下院の政党が一致するかどうかです。なぜこれに注目しているかというと、大統領選挙後に打たれるであろう景気対策のスピードや規模に影響するからです。
現在、大統領が共和党、上院も共和党が過半数の議席を取っていますが、下院は民主党です。いわゆる「ねじれ」の状態です。
このため、両党はどちらも巨額の景気対策案を出していますが、中身に違いあり、採決に持ち込んだとしてもどちらかの議会で否決されます。
これが大統領選挙後、政党が一致すれば速やかに大規模景気対策がまとまる可能性があります。ねじれがあれば、その分審議は難航するでしょうし、最終的に何らかの景気対策が打たれても、両党で合意できる部分だけ抜粋したものになるなど規模は小さくなる可能性があります。
もしねじれがなく、大規模な景気対策が実施されれば、その分景気が下支えられたり、回復が加速するため、株価は上昇すると考えられます。
実際に10月の終わりはバイデン候補の当選を織り込み株価が上がって行きましたが、これは何もバイデン候補が掲げる景気対策が共和党と比べて大規模であるだけではありません。上下院も民主党が制することによる大規模景気対策の実現を織り込んだことが大きいです。
次に選挙結果が確定するまでの時間です。今回は新型コロナウイルスの影響で投票所での投票ではなく、郵便投票での投票が多いと言われています。
トランプ大統領は郵便投票だと不正が起きるとして強く批判しています。裁判で争う姿勢も見せていて、そうなれば結果の確定までに時間がかかるかもしれません。
マーケットは不確定な状態を嫌いますからこの場合、上がるということは考えづらいです。どちらかと言うと一旦下げる方向に行くと思います。
結果によって大きな変化はない
大統領選挙、議会選挙の結果は以下の4パターンにわけられます。
トランプ(共和党) 上下院:共和党 | バイデン(民主党) 上下院:民主党 |
トランプ(共和党) 上or下院:民主党 | バイデン(民主党) 上or下院:共和党 |
上段は大統領と議会の多数政党が一致する場合で、下段は議会のいずれかの院で異なる政党が多数を占めるねじれの状態です。
重要なのは、どのパターンでも何かしらの景気対策が打たれることは変わらないということです。今は未曾有の危機状態ですし、両党景気対策が必要なことは重々承知しています。全く打たれないということはまずないでしょう。
一つ注意しなければいけないのは、ねじれが解消しない場合、協議が難航する可能性が高く、その結果一時的に大きく株価が下落する可能性があることです。
リーマンショックの時にもありましたが、TARPという金融機関の救済法案があり、誰もが成立すると思っていましたが、議会で否決されました。
それを受けて既に大きく下落していた株価が一段と下げました。その後結局救済法案は成立したのですが、これと同じように景気対策がまとまらず、急落することも考えられるのでリスクをあまり取りすぎないようにしようと思います。
一時的な急落リスクはありつつも、最終的に景気対策が打たれれば成長率の底割れは回避され、その後は経済活動の正常化に合わせて株価も値を切り上げていくと思っています。
政策の変更は関係ないの?
私は今回あまり両大統領候補者の政策の違いは重要視していません。平時だったら重要ですが、今はコロナ禍で成長戦略に関する違いはあまり取り沙汰されていないです。
強いてあげるならバイデンの再生可能エネルギー関連くらいでしょうか。あの辺りの銘柄は私はあまり触れていないこともあり、ここでは深く言及できません。が、今の所株価指数全体に大きな影響を持っていないので見通しは変わらないと考えています。
今後の見通し
一言でまとめると、大統領選挙は特段流れを買えるような重要イベントではないと考えています。
大統領選挙を無事に通過すれば、マーケットの焦点は新型コロナウイルスの感染状況やワクチンの開発状況といった選挙前にも注目されていた材料に再度移ると思っています。
私はFRBの金融緩和が続いている以上、少なくとも2022年頃までは米株全体が上がっていくとみています。この見通しに大きな影響を与えるようなイベントが起きない限りは定期的に買っていこうと思っています。
ちなみにFRBの金融緩和に影響を与える要因は主に2つで、失業率の低下やインフレ率の上昇です。これ以外のネガティブイベント(米中対立とか、ブレグジットとか)や大統領選挙の結果は基本的に見通しに大きな影響を与えないと考えており、下がった局面では買い増していこうと思います。